商品によって、運用方法や年金受取方法や生命保険機能などにちがいがありますが、特に注目すべきは、やはり運用方法のちがいです。
完全に金融機関に運用をお任せするタイプもあれば、客がある程度自由に運用を選択できるタイプもあります。
元本確保を重視して運用するもの、外貨での運用を中心にするもの、株式での運用を中心にするもの、いろいろとミックスして運用するものなど、多種多様な個人年金保険が用意されています。
本章の架空広告を作成するのに参考にしたのは、すべて2004?05年に新聞に掲載された広告ですので、デフレと低金利を背景にした商品設計となっています。
まず、そんな中で、確実に資産を増やしたい人をターゲットにした個人年金保険からみてみましょう。
大きく商品名が書かれた下に、小さな文字で「積立利率変動型個人年金保険」とあります。
これが商品の性質を示す名称ですが、「利率変動型」というのですから、たとえば10年後にどれだけおカネが増えるかわからないのかと思ってみると、そうではないようです。
広告の上から2行目や、中央の利率表示をみると、どうやら10年以上の運用を原則とした商品で、最初の10年間が「利率保証期間」となっており、その10年の運用では「円建てで元本も利率も保証」となるようです。
「積立利率1.10%」とも表示されており、これはもちろん年率の金利で、超低金利下に円の運用で年1%を超えるのですから、それなりによさそうな金利と感じた人も多かったでしょう。
しかし、その横に「実質利率0.58%」とも書かれています。
この2つの利率はどうちがうのでしょうか。
広告の下側に細かな文字で書かれた説明をよく読むと、ある程度の仕組みがわかります。
固定利率の複利運用で有利.5−のときも安心E亡保証金として元本相当額を保証。
う安心です。
いろいろな受取方法-括受取や一生涯の受取など、いろいろ方法が選択できます。
更新や転換も[解約時の払戻金について]解約の際’周整されますので、払戻金が増加また’上の広告は架空のものであり、登喝する企業や金磁商品などは、現実の企業や金融商品などとは一切関係ありません。
わかりやすく要約すると、たとえば加入者が一時払保険料として1000万円を支払ったとして、まずそこから「契約時費用など」が差し引かれます。
きちんと計算するとわかるのですが、契約時費用などとして約5%(約50万円)が差し引かれるようです。
そして、約950万円になった資産残高に対して利率保証期間の10年間は「年1.10%」の利率での運用がなされ、10年後に約1060万円になります。
結果として、1000万円が10年で約1060万円になったという点に注目して利率を計算し直すと、1年複利での換算利率は「年0.58%」になるということです。
客側がみるべき利率は、もちろん年0.58%の方です。
いくら超低金利下でも、10年固定の運用できます。
いちじばらいこの年金保険の加入者は、「300万円以上」のおカネを最初に「一時払」の保険料として支払い、それを金融機関に任せて運用してもらい、運用終了後に「いろいろな受取方法」から選択して年金として受け取ることになります。
運用期間中に加入者が死亡した場合には、死亡給付金として払い戻されますが、最初に支払った元本金額が保証されています。
ここまで読んで、「元本保証で運用しているのだから、死亡時の給付金が元本保証されるのは当然じゃないのか」と疑問に思った読者もいるでしょう。
じつは、広告の右下の辺りに、利率などについての注釈が細かく書かれており、この部分に一番大切な内容が集約されていてこんな利率(金利)しか得られないのでは、まったく魅力がありません。
しかも、「中途解約の場合には元本保証はありません」とあります。
一番最初に5%減った資金を運用しているのですから、年1.1%の利率で運用しても、運用期間10年のうち前半のほぼ5年間では、元本より少ない資産残高になっているはずです。
だから、その期間に中途解約すると、1000万円より少ない金額しか戻ってこないのです。
また、その期間に加入者が死亡した場合にも、そのままでは1000万円より少ない金額しか給付できませんから、それではひどすぎるということで、「死亡保証金として元本相当額を保証」して、1000万円を家族に返してくれるわけです。
この点について、広告の中では「万一のときも安心」とか「ご家族も安心です」と宣伝していますが、こんな商品に手を出さなければ、そもそも1000万円は加入者の家族の手元にあるはずのおカネなのです。
客をバカにしているとしか思えません。
なお、利率保証期間の10年を超えて運用する場合には、運用の利率が変動します。
だから商品の正式な種類としては「積立利率変動型個人年金保険」となっているのです。
とにかく、まともな客なら手を出すべきではない商品のように思われます。
もっとも、金融機関側からすれば、低金利の時代に、元本保証で何とか有利な運用をして老後の資金を残したいという客を相手にして、年金保険を開発するとなると、しかも手数料もしっかり稼ぐそこで、円より金利の高い外貨を活用するという、お約束のパターンが登場するわけです。
広告の右上に「金融資産を1億円以上お持ちの方へ」と書かれていますので、じつはプライベートバンクサービスの一環として提供されている個人年金保険なのです。
ただし、商品名の下に「積立利率変動型個人年金保険」と書かれていますので、先の図妬と同じ種類の年金保険だとわかります。
先の商品との大きなちがいは運用通貨だけで、「米ドル建て/ユーロ建て」とありますから、米ドルあるいはユーロで運用できるようです。
広告の左側にフローチャートがあり、米ドルでの運用例が書かれています。
また右側には、利率などが表示されています。
積立利率は10年間は「年3.1%」で固定され、ただし最初の1年だけは「プラス−%」があって、年4.1%で運用されるようです。
なお、商品と異なり、最初に費用を差し引かれることはありません。
広告中の例では、一時払保険料を5250万円として、それが105円/ドルの為替レートで米ドルに交換され、50万ドルの元本が10年間運用されますので、10年後には68.5万ドルへと、37%も年金原資が増えることが示されています。
必要がありますから、あまり高い金利は提示できないのでしょう。
いまの資産を有効に活かして、一生涯豊かにくらすためのお小遣いを手に入れましょう。
多彩な年金受取方法※1:為替レートを105円/Iミルとして換算しています。
また、災害などによる死亡の場合には災害死亡給付金の保障があります。
上記例以外に、一時金・確定年金・夫婦年金などの受取方法が選択できます。
米ドルで保険料を支払い、年金をユーロまたは円で受け取る場合には、所定の為替手数料がかかります。
上の広告は架空のものであり、登場する企業や金融商品などは、現実の企業や金融商品などとは一切関係ありません。
ここまでの話だけで、魅力的に感じた読者がいるかもしれません。
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